ベテラン営業マンのひとりごと
今後少しぐらいの不景気になろうとも、少子化が止められないわが国では、
新卒採用・第二新卒採用が買い手市場に戻ることはまず無いだろうと言われています。
さらに大手志向の若者が年々増え続けていることも相まって、中小企業の採用ご担当者様の悩みは増すばかりです。
そこで今回はあえて「失敗から学ぶ」という逆説的な手法で採用成功へのヒントをお伝えしたいと思います。
■ベテラン営業マンのひとりごと
1. 若手社員が離職する理由
2. 早期離職を防ぐために会社がやるべき事
3. 採用のミスマッチを防ぐために
ベテラン営業マンのひとりごと
私が新卒採用のお手伝いをしていた時の最大の失敗は,
「採用した人がこれから利益を生みだしてくれるという時期に退職した」という事です。
企業さんにしてみれば数年間給料を払い教育投資をしてから辞められたので、
かなりの損失になっただろうと思われます。
1. 若手社員が離職する理由
さあこれから、という時になぜ彼ら彼女らは会社を辞めたのでしょうか。
その理由は「企業」と「個人」という2つの側面から考えられます。
「企業」の要因として、終身雇用・年功序列の崩壊と成果主義の台頭が、離職を増やしたという事が考えられます。
「個人」の要因としては、企業に人生を保証してもらえなくなった若者達が、
スキルを身に着け自分の力で生き抜くために別の仕事を探し始めたという事が考えられます。
転職や独立、副業など働き方の選択肢が増えた事も、若年層の離職を後押ししております。
2. 早期離職を防ぐために会社がやるべき事
若手社員の早期離職を防ぐためには、
教育への投資がかなり有効な策と言われています。
安定雇用・定期昇給・福利厚生等の恩恵を十分に用意することが困難になった今、
せめて教育とスキルアップの機会と経験を提供しなければ、
「出来る人から辞めていく」ことを防ぐのは難しいであろうといわれています。
また、社内における教育人員の配置も、慎重な検討が必要です。
最近「若者が辞める原因は、直属の上司が最大のファクター」という報道が注目を浴びました。
若手を教育する人材は辞める原因にもなると共に、
若手が成長する大きな要因でもあるので人の配置には慎重な検討が必要ということでしょう。
そんな人材が豊富にいれば苦労しないよとおっしゃるかもしれませんが、
例えば私が存じ上げている地元企業さんでは次期社長となる方が新入社員の面倒を見るというやり方で、
素晴らしい成果を上げていらっしゃいます。
3. 採用のミスマッチを防ぐために
採用活動で一番意識しなければならないのは「応募者に対して不利な事を決して隠さない」
ということではないでしょうか。
給与、福利厚生、教育、配置など、もし他社に比べて条件が劣るとしてもありのままに伝えて、
「しかしわが社にはこういう魅力がある」と堂々と貴社をアピールされることが大切だと思います。
それで他社を選択されるのだったら最初から縁が無かったと考えるべきでしょう。
人材を確保したいが為に良いことばかり伝えて採用できたとしても、
数年後に辞められると1人あたり1千万円以上の損失になることもあります。
給与や福利厚生をすぐに良くすることは出来ないでしょうが、
教育と配置について改善していくことは今すぐ出来る筈です。
そしてそのことを募集広告(広報)でアピールしていけば採用力の向上にも効果があります。
もう一つお伝えしておきたいのは、最近の若者の多くは「目の前に人参をぶら下げても逆効果」ということです。
「歩合」「決算賞与」「出世」など、皆がハングリーな時代であれば動機付けになっていた施策が
かえって優秀な社員の離職を招いてしまった事例すらあるのです。
まとめ
良いことも不利な事も隠さない採用活動が成功への王道
新入社員教育と直属の上司先輩が成長の鍵を握っている
現代っ子にニンジンをぶら下げることはかえって逆効果
参考資料
「魅力ある職場づくり」に取り組む企業を 応援する「人材確保等支援助成金制度」http://000795657.pdf (mhlw.go.jp)
若者が定着する職場づくり取り組み事例集http://jireisyuu29_1.pdf (mhlw.go.jp)
大学新卒者の事業所規模別3年内の離職率 http://000845121.pdf (mhlw.go.jp)
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