DTPエキスパート更新試験に取り組みました。

DTPエキスパートの更新試験は、DTPに関する知識とスキルを備え、印刷物の価値を高める人材を認証・育成する制度です。
DTPエキスパートとして認証されてから2年ごとに受験する必要があります。今期も更新試験に挑みました。
【解説】印刷業界の検定試験に見る出題傾向とは?
印刷業界に関する検定試験では、技術的知識だけでなく、業務プロセスや管理手法、さらにはデジタル化対応に関する理解が求められる問題が増えています。今回気になった問題をいくつかご紹介いたします。
① インクジェット技術に関する基礎知識と応用
インクの種類(UV硬化インク、IR硬化インク、UV-LED硬化インクなど)や、その硬化方式に伴う排出物(例:オゾンや二酸化炭素)といった技術的な知識が問われています。また、印刷品質に関わる色の均一性の課題や、カラーマネジメント機能についての理解も重要です。
その他、多色化や特殊トナーで色域を広げ、RGBカラーを再現するといった機材も出てきています。
- ポイント:インクの特性とプリンターの制御機能に注目!
② 色校正・出力機器・CTPワークフローの理解
印刷工程における色校正の歴史的変遷や、CTPの導入による業務フローの変化に関する出題も見られます。とくに、従来のフィルム校正からデジタル校正へ、さらにはダイレクトプレート化の進展について問われるケースが多くなっています。
- ポイント:オフセットからデジタルへ ― 色校正と出力工程の進化を押さえる。
③ 個別原価計算とコスト管理の重要性
商業印刷では「受注生産」「多品種少量生産」が前提となるため、個別原価管理の必要性が強調されています。工数や担当者別のコスト把握、さらには赤字案件の分析といった経営管理的な視点が問われる設問も見受けられます。
- ポイント:「どこで、どれだけコストがかかったか?」の追跡がカギ。
④ MIS・スマートファクトリー連携とデータ連携フォーマット
製造工程や印刷スケジューリングにおいて、MIS(経営情報システム)との連携や、Job Messaging Format(JMF)などの標準化フォーマットが登場しています。これは、将来的なスマートファクトリー化への対応力を問う流れでもあります。
- ポイント:デジタル化と標準化。今後の印刷業務はデータが主役。
まとめ:今後の対策は「現場+IT+経営」の総合力!
印刷業界の検定試験は、単なる作業知識にとどまらず、機器・工程・管理・ITの総合的な知見を求める傾向が強まっています。特に実務の中で得られる視点(工数管理や色調整など)と、業界標準に沿った知識(JMFやMIS連携など)を重視している傾向が伺えます。